呪いについて Vol.169

世の中について

この世界には呪いというものがあるとか無いとか言われます。(どっち?)

呪いがどういうものかでその認識は変わるでしょう。
例えば呪いたい相手を思い浮かべて藁人形に釘を刺すといったことは、信じたら呪いが成立するかもしれないという曖昧なものです。

また昔なら陰陽師のような人たちが本当に呪いをかけていたといわれています。

私はこのような呪いは信じるか信じないかで実現する確率が変わるのではないかと思っていますが、実際のところどうなのかは専門家ではないためわかりません。

ですが、そんな儀式的なものではなく、この世界には呪いが成立してしまうと思ったことがあるので、それについて書いてみたいと思います。

呪いとは

「呪い」をWikipediaで調べてみるとこうあります。

人または霊が、物理的手段によらず精神的あるいは霊的な手段で、悪意をもって他の人や社会全般に対し災厄や不幸をもたらせしめようとする行為をいう。
Wikipedia「呪い」より)

「霊的な手段」というのはその道のプロ(?)じゃないと難しいと思いますが、「精神的」な手段でなら、何も能力がない人でも呪いをかけることができるのではないかと思うのです。

その一つとして、言葉による呪いがあると考えています。
それは別に呪いの言葉とかではなく、ごく普通の言葉によってです。

呪いの定義が「他の人や社会全般に対し災厄や不幸をもたらせしめようとする行為」なのだとすれば、言葉で人に呪いをかけることは簡単にできます。

普通の生活の中で、あることが突然心配になることはありますよね。
たとえば1か月後に予定されているイベントで重大な役割を任されたとしたら、その瞬間からその人にとっての一つの心配事になると思うのです。
もちろん誰もが心配になるわけではないですが、そうなる人は少なくないでしょう。

私はそれこそが呪いになってしまう恐れがあると考えています。
つまり呪いとは、ある人の心に植え付けられる心配や不安や恐怖なのです。

それは実際に何かが起こったために心配や不安になるのではなく、失敗するかもしれない、自分にはできないかもしれないという恐怖から来るものです。

つまり実際にはまだ起きてもいないことによって心が支配されてしまうのです。
これは、ただ未来の予定を言われたことが原因でです。

私はこれが呪いの一つの仕組みなのだと思いました。

この場合「悪意をもって」ではないところが呪いとは言えないかもしれませんが、それでも十分に人の心を不安や恐怖で支配することはできると思います。
もしも誰かが間接的に誰かを通してや、狙った誰かをそうなるように仕組むことは可能なのです。

その場合は、その仕組んだ人に悪意があれば呪いといえます。

こういったことは社会生活をしている人なら多くの人が経験したことはあるのではないでしょうか。

呪いの言葉

普段の生活でもなにげなく話す言葉が呪いになることがあります。
特に家族の間で交わされる言葉にです。

忙しい日々の中で時間に追われながら過ごしているうちに、
「早くしないと遅刻するよ」
とか
「ちゃんと勉強しないと成績が悪くなるよ」
というようなことを言うことがあるでしょう。

実はこういった言葉も呪いになるかもしれないのです。

たとえば「早くしないと」と言われると、急がないといけないと思う前に脅しに聞こえます。
さらに「遅刻するよ」という言葉でそれが実現するかもしれないという心配が心に植え付けられます。

言った人はもちろんそんなつもりで言っているわけではないし、誰もそこまで思わないと思います。
悪意を持っていないから呪いとはいえないかもしれません。
ですがそれらの言葉によって、言われた人の心に小さな不安が起こるのは事実です。
それが一種の呪いになると思うのです。

同じことを言うときでも、呪いにならない言い方はあります。
「もう少し早くできたら時間に余裕ができるね」
のように、脅して不安にさせて従わせるのではなく、できるだけ事実を伝えて、必要なら相手のためになるアドバイスを加えればいいのです。

私たちの日常生活の中ではこのような会話が普通に交わされていることがあります。
ですのでこのことに少し気を付けながら言葉を発すると、相手の心に与えるものが違ったものになるのかもしれません。

呪いだけで崩壊する社会

そしてこれは現在流行している新型のウイルスにもいえると思うのです。
現実に今のこの世界は呪いの言葉によって災厄に見舞われていると思ってしまいます。

ウイルスは実際に存在するので呪いとはいえないとも思えますが、必要以上にウイルスの恐怖を人々に植え付けることが呪いになるのです。

まずウイルスの不安や心配を煽ることで、対策をしない他の人への批判や誹謗をする人が出てきます。
そのため、批判を恐れてこれまでは普通だった行動がしにくくなる人が多くなります。

その結果、人々は外出を控えるのが普通になり、旅行や外食をする機会が減ってしまい経済へのダメージが大きくなります。
これは実際のウイルス感染症の影響というより、感染への恐怖や不安が引き起こしていることといえます。

感染対策をしない人を批判する人に悪意がないとしても、批判されたと感じる人にとっては悪意があるように感じてしまうでしょう。
この事が今の世界にかけられた呪いなのだと思います。

この呪いを解くには噂ばかりを気にせず、現在の本当の状況をよく知って冷静に行動することが大切だと思います。

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