世界はバランスを取りながら存在している Vol.144

世の中について

今、世界は先の見えない状況の中でどうするのが最適なのか、誰もが試行錯誤している最中だと思います。

ウイルスの感染拡大は事実ですが、それに対する人々の反応は両極端に分かれているといえます。

報道する側が恐怖を煽りすぎているだけだとか、しかし未知のウイルスなのだからある程度は警戒しないといけないと。

どちらが正しいのかなんて今の段階では何も言えないのが当たり前ですが、この両極端の意見があるからこそ、現在の世界はバランスが取れているのだとも感じます。

この混乱している今の世界がバランスが取れているとは思えないかもしれませんが、もしどちらかの意見ばかりが尊重されていたら、今の状況どころではないのではないかと思います。

このことから気がついたのは、今までも世界はいつでも両極のバランスで成り立ってきたのだということです。

それは陰陽の太極図でも表されていることです。

太極 / Wikipediaより

ですので両方の意見や考え方があっていいのだと思います。
反対にどんなに良さそうな考えでも、それだけに傾くのは危険なのかもしれません。

そして太極図は陰と陽に分かれていますが、よく見ると陰の中には小さな陽、陽の中には小さな陰があります。

これはマイナスに見える事の中にも良い部分はあり、プラスに見える事の中にも悪い部分はあるということです。

ですから両極端どうしの意見があっても、その中にお互いに良い部分があるのです。
「良い」というと少し違うかもしれませんが、要は反対の部分があるということです。
今の世界はその両方のバランスで常に成り立っているのです。

それでバランスが取れている世界は上手く回るのだと思います。

今の世界情勢での両極端な意見とは、ウイルスの感染拡大を抑えることを優先するか経済の破綻を抑えるかです。

どちらも今の世界を維持するには大切なことですが、やはり両立するのは難しいのだと思います。

どちらの意見にも誰もが納得できるような良いものは勿論あります。
しかしその良い部分の主張を両方取り入れて上手くいくかというと、どうしてもどちらかに偏ってしまいます。

以前こちらの記事でも書きましたが、どうやっても両立できない世界の仕組みはもう古い仕組みになっているのです。

関連記事:
なぜ今この世の中は混乱しているのか Vol.141
貨幣経済に替わる仕組み Vol.142

これまでは人類が進歩するために有効な仕組みだったとしても、だんだん古い仕組みになってしまうのです。

時代に合わないものは変わっていく

今の世界の古い仕組みとは貨幣経済のことです。
この世界のほとんどの物事は貨幣経済に支配されているといえます。
一見お金とは関係なさそうな事も、例えば学校の仕組みや医療の仕組みなどを辿っていくとだいたいお金の問題になります。

他にもよくわからないけど何となく縛られている感じのするものなど、世の中のほとんどの問題はお金なのです。

これは例えば子供が自転車に乗るための練習で使う補助輪と同じようなものです。

まだ自転車に上手く乗れないときには助けになる便利なものですが、自転車にすいすい乗れる人が補助輪を使っているとむしろ邪魔になってしまいます。
それでもどうしても補助輪のまま漕ぎたいのなら、あまりスピードを出さないようにしないと危ないです。

同じように今の世界の貨幣経済の仕組みはもう古くなってしまっているのです。
はっきり言って、バランスを取りながら保つことは無理な仕組みだと思います。

それなのに私たちは、その仕組みをどうにか上手く使い続けるために頑張っているのです。
少しの間はどうにかできるとしても、必ずバランスを崩して倒れてしまいます。

これは今のウイルスの流行が原因に見えますが、本当はもうかなり前から古いものになっていたのです。
ただこれまでは、補助輪をつけたままでもゆっくりと真っすぐに漕いでいたためにうまくいっていただけです。

このウイルスの流行は、自転車のスピードを上げたりカーブを曲がって小回りするようなもので、そうなってようやく補助輪は邪魔だということに気づくのです。

今、この世界の問題はウイルスの感染症ですが、そのために起こっている経済の問題も同じくらいかそれ以上にこの世界を混乱させています。
「経済の問題」というと難しい話に聞こえますが、具体的には仕事がなくなって収入がなくなれば税金や借金を払えないとか必要な物が買えなくなるなどです。

物が買えなくなるのは物が存在しなくなるからではなくて、交換するお金が得られなくなるからです。
このままの世界が続けば、物を作る側への影響も出始めて物が存在しなくなる恐れも出てきますが、それは人が物を作っているからです。

人が物を作るのは、企業が人件費を使って人を雇っているためで、働く人はお金を稼ぐために働く必要があるからです。

もしもお金という存在が無ければ、わざわざ働く人はいないし、人々が生活に必要な物は全てロボットや機械化して無人で作るようにできるのです。
今のAIやロボットのテクノロジーがあればすぐにでも変えられるでしょう。

ある農家で、AIと機械を上手く組み合わせて収穫までを全て無人でできるようにしているというのをテレビで紹介されていました。

農業までほぼ無人でできる技術はすでにあるのです。
それをしないのは導入する資金が無いためでしょう。
中には農作業が好きな人もいるでしょうけど、そのような人は家庭菜園をすればいいと思います。

これは他の全てのものづくりやサービスで言えることです。

つまりお金というものがすべて邪魔しているのです。

今はそろそろこの仕組みを変える時期に来ているのだと思います。

関連記事:キャッシュレスの波はどこに向かうのか Vol.112

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