キャッシュレスの波はどこに向かうのか Vol.112

世の中について

私は歴史が苦手だったので昔のことは詳しくわかりませんが、お金や貨幣という存在が作られる以前は、人間は物々交換をしていたと思います。

しかし私は、「はじめ人間ギャートルズ」というアニメで巨大な石の硬貨を転がしている場面を見た影響で、原始時代はあんな大きいお金だったのかと子供ながらに考えていましたけど。
それはきっと違うんですね。(当たり前?)

ところで物々交換と貨幣経済では、貨幣経済の方が進歩した方法でしょう。
こういった価値の交換方法は、人類の進歩とともにさらに変わっていくのだと思います。

スタイルが変わってもお金はお金

最近では仮想通貨や暗号通貨、電子マネーなどというように、現金を使わずにお金を利用する方法があります。
とはいえ電子マネーはチャージするために現金を使うことはありますね。

ですが、いくら貨幣を利用するスタイルが変わって未来的な感じになったとしても、資本主義や貨幣経済であることには何の変わりもないです。
仮想通貨や暗号通貨ならば、誰もがみんな平等にお金が手に入るなんていうことは無いですよね。

むしろ所有しているお金は今までと変わらないのに、データ化したお金は現金を財布から出してお金を払うよりも軽い気持ちでお金をどんどん使ってしまいそうで怖いです。
払った感覚が無いためです。

結局ほとんどの人々は、仮想通貨でも暗号通貨でも電子マネーでも、自分で使うお金は自分で頑張って労働して手に入れるしかないのです。
それが現在のこのピラミッド型の社会の仕組みだからです。

キャッシュレスの先を考えてみる

貨幣経済が続く限り、この世の中の仕組みはなかなか変わらないでしょう。

ですが現在の貨幣経済がこのままこれからもずっと続くとは限りません。
もしかするともうすぐ変化が起きることも考えられます。

そのきっかけは、今普及してきている仮想通貨や電子マネーのようなデータ化しているお金になるかもしれないです。
え?でもさっき仮想通貨や電子マネーも結局は同じだと書いたのでは?と思いますよね。

どういうことかというと、少し想像してみると何となくわかると思います。
まず、現在の現金を使わない生活を考えてみて下さい。

例えばコンビニやスーパーやレストランなどのお店で買い物や食事をしたとき、電子マネーやICカード払いで払うとします。
そこでは現金のやりとりは行われませんよね。

お店の店員さんは、いちいちお客さんが来る度に現金を貰わなくても働いています。
きちんと給料がもらえるからです。

つまり、私たちは欲しい物を手に入れる際に現金を使う必要がありません。

でも商品の代金は払うでしょ?と思いますよね。
そうです、もちろんお金は払う必要があります。
今のところは。
だからクレジットカードや電子マネーなどで払います。

次に、コンビニやお店などに商品を届ける仕事があります。
その人はコンビニに商品を届けたとき、お店から現金でお金をもらうでしょうか?
たぶん、直接は貰いませんよね。
伝票などで記録しておいて後で清算されます。
ですからここでもお金のやりとりは必要ありません。

さらに、その商品を届ける人は頑張ってトラックを運転して来ますが、トラックの燃料などはクレジットカードや電子マネーで支払えば現金はいりません。
高速道路もETCを利用すれば後払いなので現金はいりません。
きっと後で会社が精算してくれます。

次は、お店に納品するための商品の製造です。
殆どのものは工場などで大量生産されています。

工場で商品を生産するために、直接現金は必要ないですね。
ロボットや機械は現金で動くのではなく、燃料や電気で動くのです。
その燃料や電気代は使う度に払うのではなくて、やっぱり後払いでしょう。

もちろん工場で働く人も、多くの人は仕事をする日に現金を貰わなくても仕事をします。
給料日には給料が口座に支払われるからです。

何が言いたいのか、ここまで説明したことでわかってきた方もいるかもしれませんが、この世界のシステムの中で、お金の流れが実際に目で見えない時点で、お金という存在の意味がよくわからなくなっています。

その理由は、お金を払う価値のある物を手に入れたりサービスを受けたときに、後払いや現金以外のもので支払いができるからです。
それは形だけの支払いで、実際に現金を使ってはいません。
つまり、現金でのお金の流れが無くても人間は生活できているのです。

もちろん今はお金がないと物が買えないし、生活できないため、お金は生きるために必要です。
しかし、現金を使わなくなってきたおかげで、お金という存在に疑問を持つことができました。

このことを考えたとき、こんな考えが浮かびました。
お金という存在が無くてもこの世界は動いていくのでは?と。

むしろお金があるせいで本当の心からのサービスや労働というものが少なくなっていると思います。
それはみんながお金のために働いているからです。

それにお金の存在があるため、欲しいものを買ったりサービスを受ける行動の間にお金のやり取りという余計なアクションが入って面倒です。

そのための人件費がかかったり。
本末転倒な気もします。

つまりお金という存在は、昔は物々交換に比べて画期的でしたが、現在では大多数の人を疲弊させるだけのものなのです。

お金という貨幣経済を必要としているのは、人々を支配している人や、お金というものに目がくらんでいる一部の人たちだけなのだと思います。

ほとんどの人は、お金で価値を交換する貨幣経済は必要ないのです。

お金が存在しない世界

先に書いた商品の流れの中に、もしお金の支払いというものが存在しなかったらどうなるでしょう?
お金という存在が無かったとしたら。

お店で欲しい物を買うときは、お金で買うのではなく持ち帰るだけでいいし、何かのサービスを受けるときもサービスを受けるだけです。

そうなればきっとお店で働く人や運搬する人、工場で働く人はいなくなるでしょう。
だって給料をもらうために働いていたのですから。

お金のためなんかではなく、その仕事が本当に好きでしていた人はお金がもらえなくても続けるでしょう。
でも、お店や工場で働くのが本当に心から好きな人っていますか?
あまりいませんよね。
ですので殆どのお店や工場は無人になるでしょう。

お店の商品の在庫管理などはAIによる管理で自動化されます。
商品の運搬や搬入も自動運転の車とロボットで全て行えます。
製品を製造する工場もAIによる管理でほぼ無人で稼働していくでしょう。

自動運転や工場のロボットの稼働のためのエネルギーには太陽光発電やその他の新しいエネルギーが使われるため、半永久的に動きます。
そして自動運転のトラックや工場の機械やロボットのメンテナンスもAIとメンテナンス用のロボットが行なっていきます。

作る商品が食品なら原料になる食材の生産が必要ですが、農業もどんどん自動化され、人間が作業する必要はほとんど無くなっていくでしょう。

全自動化された畑で作られた農産物は、誰でも自由に必要なときに必要な分だけ持っていけます。
コンビニなどのお店に置いてある物も必要なときに必要な物を持っていく事ができます。

しかしそれだと泥棒や独り占めしようとする人が出てきそうだと思いますか?
でもお金がなくて盗んでいた人は、お金がない世界では盗むことにはならず、他の人と同じく必要なものを持っていくだけになります。

独り占めしようと沢山持っていく人は何のために持っていくのでしょう?
家族が多いなら、それは独り占めではありませんよね。
たくさん物を持っていったとしても、お金というものがない世界では「売る」という概念が無いため、意味がありません。

だから必要以上に持っていく意味がなくなります。

そうすると需要と供給のバランスが取れていき、過剰に生産して余ることも無くなります。

こうなると基本的な生活の心配はなくなりますね。

お金という概念がなくなると、物を所有する意味も変わっていきます。

車などの乗り物は自分で所有する必要はなく、公共の駐車場にあるものをどれでも使えるようにすればいいです。
無料のレンタルやシェアのような感じです。

ただ、車が趣味で自分で所有したい人は持てばいいのです。

自分が今使っているレンタルの乗り物は、必要なら公共の駐車場にまだ戻さずに使い、必要なくなってから戻せばいいのです。
そして公共の駐車場にある乗り物は、整備のロボットなどがいつも点検整備しておいてくれるため、いつでも快適に利用できるようになっています。

もしこんな世界が現実になったら人間がする仕事がなくなってしまうと思うかもしれませんが、そもそもお金が存在しない世界だとしたら、お金を稼ぐためだけのつらい仕事をする必要はないのです。

その代わりに、夢中になるくらいワクワクする事や、ずっとしてみたかった事をすればいいのです。
何をすればいいかわからなければ、とにかく何でもやってみればいいのです。

新しい料理を考えたり、服のデザインを考えたり、便利なシステムを開発したり。
絵や本を書くのもいいですね。
得意なことを人に教えるのもいいと思います。

それが一人一人の仕事になるのです。

さらに、泥棒や詐欺という犯罪は無くなります。
そのような犯罪はほとんどがお金が目的ですから。

盗むお金自体は存在しないし、物を盗むという概念もなくなるでしょう。
必要以上に物を持って行っても、売るという概念もなくなるからです。
つまり、全ての物が公共の物になるのです。

このようにお金というものがなくなると高価な物を所有する意味が無くなり、多くのものは公共のものでみんなの物という概念になっていくでしょう。

このような世界は実は宇宙にはたくさん存在しているのだと思います。
私がそう思う理由は、「アミ 小さな宇宙人」の中で紹介されていた惑星の中にこんな世界があったからです。

もしもその惑星の話が作り話だとしても、その架空の世界を現実に作り出すことは不可能なことではないと思えるような仕組みになっていました。

実現するかしないかは私達の意識次第

このような世界の実現は難しいのではないかと思っている方が多いと思いますが、それほど非現実的ということでもありません。

現在でも様々なことが自動化され、無人化されているからです。
これからもどんどん進んでいくでしょう。
逆行はないです。

しかし、こういったシステムの自動化や無人化とお金の存在がなくなるのは別の話です。
どれだけ技術が進んでも、お金が存在する限り、そのシステムの中でどうお金をやりとりするかが開発されていくだけです。

ではどうすればお金の存在しない世界に変わるのでしょう。

現在の世界の状態を考えると難しいかもしれませんが、一人一人の意識次第で、変わることは不可能ではないと思います。

どんなことを意識すればいいかというと、必要以上に所有しようとしないことです。

6:7わたしたちは、何ひとつ持たないでこの世にきた。また、何ひとつ持たないでこの世を去って行く。 6:8ただ衣食があれば、それで足れりとすべきである。

(「テモテへの第一の手紙」6章7節、8節より)

今の私たちは、生きていくために必要なものがあったりと十分に満足できているはずなのに、もっと欲しいという欲がどんどん出てきます。

その原因の一つは、現状の満たされている自分を意識するより、周りを見すぎて比べてしまったり、周りの人より上に行きたいと考えてしまうからです。

実は、誰もが一人一人違った才能を持っているはずなのです。
周りと比べることの無意味さに気づき、今の自分にしかできないことに目を向けるようにすることで、今まで自分でも気づかなかった才能に気づくことができるかもしれません。

それがお金のない世界での私たちの仕事です。
自分のしたいことや好きな事をすることで喜んでくれる人がいる、助かる人がいるというだけで十分ではないですか?

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